持株会社税制について(その4)|レスター税理士法人|経営者「お役立ちコラム」

BUSINESS COLUMN
経営者「お役立ちコラム」

2021.09.30

持株会社税制

持株会社経営

持株会社税制について(その4)

Action4 親会社となっている株式のみを後継者へ移転させることによって事業承継が完成する

残る課題はあと一つ。法人の株式をいかに後継者である息子さんへ移転させて、事業承継を完了させるかです。最初に、息子さんが代表となっている法人も含めてこのようなグループ組織形態にしたのは理由があります。それは、法人が増えたとしても、このような形にすることでそれぞれの会社で株式移転を行う必要がなく、親会社株式のみを後継者へ移転することで、結果的にすべての会社の株価を移転したということができるからです。
このグループ組織形態をもう一度ご覧いただくと、それぞれの子会社が親会社へぶら下がる形となっており、さらに親会社はそれぞれの子会社株式を100%保有しています。

つまり、親会社の株主をピラミッドの頂点として、末端の子会社まで事実上支配していることになるのです。このため、事業承継対策として株式を移転しようと計画した時に、親会社株式を後継者へ移転させることで完了することができます。

仮に、今回のような組織再編を行う前に株式を移転しようとした場合には、株式の移転は、建築資材製造業をメイン事業とする既存法人の株式と、息子さんが代表を務める法人の株式の両方を移転する必要があり、それぞれでコストが発生してしまいます。組織再編後のグループ法人の形態は事業承継対策として株式を移転する際にも効力を発揮するのです。